水槽用フィルターの種類と選び方を解説します
よっしゃ。
じゃあもう水槽の立ち上げに必要なモンは全部揃ったな。
いやいや、パイセン何を言ってるんですか?
え?
フィルターを買い忘れていますよ。
フィルター?
水をぐるぐる回すやつか?
んなもんなくたって大丈夫だろ
ダメですよ。
フィルターがないと水がどんどん汚れていきますよ!
フィルターは水槽の必需品です。
そうなのか。
他にもフィルターが必要な理由はたくさんあります!
それでは水槽用のフィルターが必要な理由を紹介します。
フィルターはなぜ必要か
水槽の立ち上げに必要なのが水を循環させるフィルターです。まずはフィルターがなぜ必要なのかという点について紹介します。
ろ過機能で水をキレイにする
フィルターの一番の目的は水をきれいにすることです。水槽の水は生体が住む場所で、私たち人間が住む部屋と同じだと考えて下さい。私たちが部屋で生活していると、部屋の空気が汚れたり、ごみが溜まっていくのと同じように、水槽の中の水も毎日汚れていきます。そこでその水槽の汚れを解消して、きれいにしていくのがフィルターの役割なのです。水槽の水をきれいにすることを「ろ過」と言いますが、ろ過には3種類あります。その3つとは、
① 物理ろ過
② 生物ろ過
③ 化学ろ過
の3種類です。順番に説明します。
物理ろ過の役割
物理ろ過はその名の通り、物理的に汚れをろ過する機能です。ポンプを使って水を循環させる際に、フィルターを通過した水中のゴミを繊維で絡め取ってろ過します。使い続けていると、フィルターに汚れが溜まって目詰まりを起こすので、定期的なフィルターの洗浄や交換が必要になります。
生物ろ過の役割
生物ろ過とはバクテリアなどの有機物分解菌が、水槽の中に発生する糞や水草の枯れ葉などを分解して、水の中をきれいにするろ過機能のことを言います。生物ろ過は透き通った透明の水槽を実現するのに欠かせない存在で、生物ろ過の機能を最大限に高めるためには、上質なバクテリアを大量に発生させる必要があります。実はアクアリウム初心者の人が生体をすぐに死なせてしまうのは、この生物ろ過がうまく言っていないことが多いのです。
バクテリアを大量に発生させるためには、底砂も必ず必要になってきますので、是非こちらの記事も合わせてお読みください。
化学ろ過の役割
化学ろ過は吸着ろ過と言われることもあります。ろ材を水槽の中に入れ、微細な有機物である水中の濁りや黄ばみの原因となる物質を吸着、分解することで水の汚れをきれいにしてくれます。化学ろ過は万能な機能がありますが、そのろ過能力は永遠に続くわけではなく、一定の期間吸着をすれば機能を失ってしまいます。
酸素を水槽内に供給する
そしてフィルターを設置するもう1つの理由が、水槽内に酸素を供給するということです。水中で生活している生体は水槽内から酸素を取り入みます。しかし水槽内は密閉された空間なので、生体が二酸化炭素を排出すれば、どんどんと水の中の酸素がなくなっていきます。フィルターは水を循環させて水の流れを作ることで酸素を供給することができます。
フィルターの種類や選び方
ろ過の種類について説明してきましたが、フィルターの種類や選び方について紹介していきます。フィルターと一言で言っても、先程紹介したろ過機能の有無や、方式、サイズなど様々な違いがあります。ここではフィルターの種類や選び方について紹介します。
はあ~なるほどよくわかった。
確かにフィルターはないといけねえな。
そうなんです。
ベタはビンでも飼える生体ですが、やっぱりきれいな澄んだ水中の方が生き生きしています。
ベタを飼う場合でも必ずフィルターはつけて下さいね。
分かった。
でもフィルターって掃除とか面倒くさそうだよな。
確かにお手入れは必要になってきます。
でも、方式の違いなどによって、お手入れ回数の少ないフィルターもあるので、紹介させてもらいます。
設置方式
まずフィルターによって設置方式が変わります。代表的な設置方式については次のとおりです。
① 外掛け式フィルター
② 上部式フィルター
③ 外部式フィルター
④ 投げ込み式フィルター
順番に説明します。
外掛け式
水槽のヘリに引っ掛けて使用するタイプのフィルターで、横掛け式とも言います。フィルターの中で一番メジャーな方式で、誰しも一度は目にしたことがあると思います。外掛け式フィルターの良さは安価であることや、フレームの無い水槽にも取り付けが可能ということです。反対にデメリットとしてはメンテナンスの回数が多いこと、ろ過機能が低いこと、水槽のヘリにくっついているので、見た目がスッキリしないということなどが挙げられます。しかしフィルターとしては十分に機能を果たすことができます。
上部式フィルター
名前のとおり水槽の上部に設置するタイプのフィルターです。水槽の上部に設置することから水槽と一体化して、スッキリとした印象になります。さらにろ過能力が高く酸素供給量も多く、メンテナンスも簡単という非常に優れたフィルターです。
しかし、フレームレスの水槽には設置できませんし、ろ過の過程で二酸化炭素を大量に失うので、水草水槽には不向きです。
外部式フィルター
外部式フィルターは水槽の外にフィルターを設置するタイプのものです。外部式フィルターで有名な物はエーハイムなどがありますが、そのメリットとしては、なんと言っても抜群のろ過機能です。フィルターの容積が大きくろ材を大量に入れられるので、物理ろ過のフィルターとしても高機能ですし、さらにその大量のろ材にもたくさんのバクテリアが繁殖するので、生物ろ過としても大きな効果を発揮します。
そしてろ過の過程で空気に触れないことから、二酸化炭素を放出しづらく、水草水槽にも大変向いています。水槽周辺にポンプしか見えないので見た目がすっきりとしていて、水槽の形状などを選ばないのも良い点です。
デメリットとしては、ろ過装置の設置場所が別に必要になることと、値段が高価になるということです。
投げ込み式フィルター
名前のとおり水槽の中に投げ込む方式のフィルターです。投げ込み式フィルターのメリットはろ過機能と別にエアレーション機能があることです。ろ過と同時に水槽の外から吸い込んだ空気を水槽内に出してくれます。水槽内が酸素不足になることを防いでくれるのですが、デメリットとしては、水質のろ過能力が低いことや、野暮ったい見た目になってしまうことです。なので、30センチくらいまでの小型の水槽に使用を限定しましょう。
水槽のサイズや生体数、生体の品種
フィルターを選ぶポイントの1つに、水槽のサイズがあります。人間で例えるなら、20畳の部屋に6畳用の空気清浄機を使用してもほとんど効果がないのと同じで、フィルターも水槽の大きさに見合った物を設置しなければなりません。
さらに飼育する生体の量が増えればそれだけ水も汚れますし、高機能なフィルターを設置する必要があります。金魚などはたくさんの酸素も必要とする生体なので、特に夏場などはエアレーションなどを併用して酸素不足も解消する必要があります。
静音性
フィルターはモーターを使用して水槽内の水を循環させますので、多少なりともモーター音が発生します。各社の製品は基本的に静音に設計されていますが、例えば寝室などで飼育する場合はモーター音が気になると思います。どのような場所に水槽を設置して飼育するかにもよりますが、モーターの静音性も購入を検討する材料の1つです。
インテリアを考慮
フィルターの方式のお話でも少し触れましたが、アクアリウムというのはインテリア性も考慮する必要があります。やはり美しく鑑賞するというのも醍醐味の1つなのです。
どうしても外掛け式や投げ込み式は鑑賞上見た目が悪くなってしまう傾向がありますが、外部式だと水槽の見た目をすっきりとさせることができます。
他にもGEXから発売している「サイレントフロースリム」というフィルターだと、スリムなボディで、水槽のコーナーに設置できるのでとてもスッキリとします。さらに別売りの人工水草と組み合わせれば小さな滝が再現することができて、コンパクトで美しいアクアリウムを実現することができます。
メンテナンス性
フィルターはろ材に汚れを絡め取って水をきれいにするので、どんどん汚れが溜まっていきます。フィルターの汚れを洗ったり、交換してメンテナンスをする必要があります。生き物を飼う上では仕方のないことですが、やはりこのような手間はできるだけ省きたいものです。
メンテナンス性が高いということは、
● メンテナンス回数が少なくて済む
● 水槽からフィルターを取り外しやすい
● 掃除が簡単
という点が挙げられます。外部式は高価ですが、メンテナンスの回数も少なくて済むなどメリットが多い優れたフィルターです。
ありがとうな、よくわかったよ。
で、俺はどのフィルターを買えば良いんだ。
そうですね。
やっぱり一番のオススメは外部式のフィルターですね!
さっき言ってたやつか。
でも高け~んだろ?
そうなんです。そこがネックになります。
なのでパイセンには、フレームレスでも使える外掛け式のフィルターをオススメします。
あ~これか。
物理ろ過の機能が低いですが、ベタくらいの小型魚の飼育なら十分に機能を果たしてくれますよ。
これか。
ん?6点セットとか書いてやるのがあるぞ。
あ~これはいいですね!
30センチの水槽とフィルターやガラスの蓋などが付いて3,000円とお買い得なので、是非これにしましょう!
わかった、じゃあこれにするぜ。
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